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190億円の水産業を支える養殖漁業の実力:佐世保の海が生み出す高付加価値

190億円の水産業を支える養殖漁業の実力:佐世保の海が生み出す高付加価値

佐世保市といえば、米軍基地や九十九島などの観光資源が有名ですが、実は年間190億円を超える水産業が営まれていることをご存知でしょうか。令和5年度のデータを分析すると、驚くべき事実が浮かび上がってきます。

190.52億円
令和5年度 佐世保市の漁獲高(総額)

目次

10万トンを超える漁獲量

令和5年度、佐世保市の漁獲量は106,488トンに達しました。この内訳を見ると、佐世保の水産業の特徴が明確に見えてきます。

  • 沖合漁業:101,236トン(95.1%)
  • 養殖漁業:3,110トン(2.9%)
  • 沿岸漁業:2,142トン(2.0%)

漁獲量だけ見ると、沖合漁業が圧倒的です。しかし、金額ベースで見ると、まったく異なる景色が現れます。

養殖漁業が生み出す高付加価値

漁獲高(金額)の内訳は以下の通りです:

  • 沖合漁業:128.07億円(67.2%)
  • 養殖漁業:50.74億円(26.6%)
  • 沿岸漁業:11.71億円(6.2%)
驚きのデータ:養殖漁業の高付加価値性
養殖漁業は漁獲量ではわずか2.9%にすぎませんが、金額ベースでは26.6%を占めています。つまり、1トンあたりの価値が沖合漁業の約13倍という計算になります。

数字で見る付加価値の違い

それぞれの漁業種別の1トンあたりの価値を計算すると、その差は歴然です:

163万円
養殖漁業(1トン)

12.6万円
沖合漁業(1トン)

54.7万円
沿岸漁業(1トン)

なぜ養殖漁業は高付加価値なのか

養殖漁業が高い付加価値を生み出す理由はいくつか考えられます:

  • 計画的な生産:市場のニーズに合わせて出荷時期や量を調整できる
  • 品質管理:餌や環境をコントロールすることで、安定した品質を保てる
  • ブランド化:地域ブランドとして差別化が図りやすい
  • 高級魚種:マグロ、ブリ、真珠などの高級品が中心
  • 出荷調整:価格が高い時期に出荷することが可能

九十九島の豊かな海が支える養殖業

佐世保の養殖漁業を支えているのは、九十九島をはじめとする複雑な海岸線と豊かな海洋環境です。入り組んだ湾は波が穏やかで、養殖に適した環境を提供しています。また、対馬暖流の影響を受ける海域は、栄養分が豊富で、魚の成長に最適な条件を備えています。

持続可能な水産業への展望
気候変動や海洋環境の変化が懸念される中、計画的に生産できる養殖漁業の重要性は今後さらに高まるでしょう。佐世保の養殖漁業は、環境と調和しながら高付加価値を生み出すモデルケースとして、全国的にも注目される存在です。

データが示す未来

190億円という漁獲高は決して小さな数字ではありません。そして、その4分の1以上を養殖漁業が担っているという事実は、佐世保の水産業の未来に明るい展望を示しています。

大量漁獲よりも高品質・高付加価値を追求する。この戦略は、人口減少時代における地方の水産業のあり方を示唆しているのかもしれません。九十九島の美しい海が育む養殖業は、佐世保の貴重な財産であり、これからも守り育てていくべき産業なのです。

データ出典:令和6年版佐世保市統計書(第35回)「03_農業及び水産業 B_水産業 03_漁獲量及び漁獲高」
令和5年度データ

計算方法:1トンあたりの価値 = 漁獲高(百万円)÷ 漁獲量(トン)× 1,000,000

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