通信販売が94%減少!1,600億円が消えた佐世保の商業に何が起きたのか
佐世保市の商業統計に、驚くべき数字が隠れていました。「通信販売・訪問販売」の年間販売額が、平成28年から令和3年の5年間で94%も減少していたのです。
1,769億円から105億円へ激減
平成28年、佐世保市の無店舗販売における「通信販売・訪問販売」の年間商品販売額は1,768億7,400万円でした。これは全商業販売額6,916億円の25.6%を占める巨大なセグメントでした。
ところが令和3年には、わずか105億5,100万円に激減。実に94.0%の減少です。
年間1,600億円以上の販売額が消失したということは、巨大な事業が佐世保から撤退したか、統計の取り方が変更された可能性があります。
考えられる3つの理由
1. 大手通販事業者の拠点移転
佐世保に拠点を置いていた大手通販事業者が、拠点を他地域に移転した可能性があります。通信販売は物理的な立地に制約されないため、本社や主要拠点の移転は比較的容易です。
2. 統計分類の変更
経済センサスの調査方法や分類基準が変更され、以前「通信販売」に分類されていた事業が、別の分類に変更された可能性もあります。
3. EC事業の構造変化
プラットフォーム型EC(楽天市場やAmazonなど)の台頭により、個別企業の通信販売から、プラットフォーム経由の販売に移行した可能性があります。
自動販売機は3倍に増加
興味深いことに、同じ無店舗販売でも「自動販売機」の販売額は、平成28年の8億円から令和3年には25億3,400万円へと3.2倍に増加しています。
これは、飲料自動販売機だけでなく、食品や雑貨など多様な商品を扱う自動販売機が増えたことを示しているのかもしれません。
小売業全体の構造変化
通信販売の激減と自動販売機の増加は、佐世保の小売業が大きな構造変化の渦中にあることを示しています。
- 大規模な通販事業者の存在感低下
- 無人化・省力化販売の拡大
- 販売チャネルの多様化
通信販売の数字は激減しましたが、これは必ずしもオンライン販売自体が減少したことを意味しません。むしろ、佐世保に拠点を置かない大手ECプラットフォームへのシフトが進んでいる可能性が高いでしょう。
地域経済への影響
もし大手通販事業者の撤退が原因だとすれば、雇用や税収への影響も大きかったはずです。一方、統計上の分類変更であれば、実態としての経済活動は変わっていない可能性もあります。
いずれにせよ、この劇的な変化は、佐世保の商業構造が大きな転換期を迎えていることを物語っています。
地域に根ざした販売の重要性
大規模通販事業が縮小する中、地域の小売業に求められるのは:
- 地域密着型のサービス提供
- オンラインとオフラインの融合
- 地域ならではの商品・サービスの開発
- 顔の見える関係性を活かした販売
全国一律のサービスでは勝てない時代に、佐世保ならではの価値を提供することが、地域商業の生き残りの鍵となるでしょう。
データ出典:令和6年版佐世保市統計書(第35回)「05_商業及び貿易」
資料:総務省、経済産業省「経済センサス-活動調査」、財務省「貿易統計」
