卸売業vs小売業:佐世保の商業構造に起きた逆転現象を読み解く
佐世保市の商業構造を深掘りすると、卸売業と小売業で大きく異なる動きが見えてきます。令和6年版佐世保市統計書のデータから、興味深い事実をお伝えします。
目次
販売額の構成比が逆転
平成28年、佐世保市の年間商品販売額6,916億円のうち、卸売業は2,721億円で全体の39.3%を占めていました。一方、小売業は4,195億円で60.7%でした。
ところが令和3年になると、販売額は全体で4,790億円に減少したものの、卸売業は2,466億円で構成比が51.5%に上昇。小売業は2,324億円で48.5%に低下し、構成比が逆転したのです。
なぜ構成比が逆転したのか?
卸売業の販売額は9.4%減に対し、小売業は44.6%減と大幅に減少しています。これは、コロナ禍による個人消費の落ち込みが小売業に特に大きな影響を与えた一方、企業間取引が中心の卸売業は比較的堅調だったことを示しています。
卸売業の販売額は9.4%減に対し、小売業は44.6%減と大幅に減少しています。これは、コロナ禍による個人消費の落ち込みが小売業に特に大きな影響を与えた一方、企業間取引が中心の卸売業は比較的堅調だったことを示しています。
小売業が直面する厳しい現実
小売業の販売額が44.6%も減少した背景には、複数の要因が考えられます:
- 外出自粛の影響:コロナ禍による外出自粛で、特に飲食店や娯楽関連の小売店が大きな打撃を受けました
- EC(電子商取引)へのシフト:オンラインショッピングの急速な普及により、実店舗での購入が減少
- インバウンド需要の消失:訪日外国人観光客の消費がゼロに近い状態に
- 生活様式の変化:テレワークの普及などにより、商業地域への人流が減少
卸売業の底堅さの理由
一方、卸売業が比較的影響を受けにくかったのはなぜでしょうか。
卸売業は企業間取引(BtoB)が中心であり、生活必需品や産業資材の流通は、コロナ禍でも一定の需要が維持されました。特に食料品の卸売や、地域の小売店への供給という役割は、むしろ重要性が増した面もあります。
佐世保の商業が進むべき道
このデータが示唆するのは、小売業の抜本的な変革の必要性です。単に店舗で商品を売るだけでは生き残れない時代に、佐世保の小売業はどう対応すべきでしょうか。
生き残りのヒント
• オンラインとオフラインの融合(OMO戦略)
• 地域密着型の付加価値サービス
• 体験型店舗への転換
• 卸売業との連携強化
• オンラインとオフラインの融合(OMO戦略)
• 地域密着型の付加価値サービス
• 体験型店舗への転換
• 卸売業との連携強化
佐世保市の商業が新しい時代に適応し、再び成長軌道に乗るためには、デジタル化への対応と、地域に根ざした独自の価値提供が鍵となるでしょう。
データ出典:令和6年版佐世保市統計書(第35回)「05_商業及び貿易」
資料:総務省、経済産業省「経済センサス-活動調査」、財務省「貿易統計」
